電球の世界へようこそ【2】

蛍光灯
蛍光灯は、1935年にアメリカのGE社の電気技師インマンによって発明された照明器具です。
1938年に実用化されると、白熱灯に代わる照明器具として、広く普及しました。
蛍光灯のしくみは、水銀蒸気中の放電で生じる紫外線を蛍光体で可視光に変換することで、白く明るい光を効率的に生み出します。1960年代からは急速に普及し、オフィスや家庭でも広く利用されるようになりました。
蛍光灯の特徴とデメリット
- 白熱電球に比べて消費電力が少なく、同じ明るさを得るのに必要な電力が少ないです。
つまり、白熱電球と比べて電気代が安く済みます。 - 一般的にランプ寿命は、約6,000〜15,000時間とされています。
- 発熱量が少なく、室温への影響が少ないです。
- 物の色を自然に見せる能力は、白熱電球より劣ります。
青みが強いため、顔色が悪く見えたり、食べ物の赤みが生かせないので、食卓にも不向きです。 - 環境への影響:蛍光灯には微量の水銀が含まれており、廃棄時の環境汚染が懸念されます。
- 一般的な蛍光灯は調光は、基本的には出来ません。
- 寒冷地では点灯が遅れたり、光量が減少することがあります。
- 古くなった蛍光灯では、目に見えないちらつきが発生し、目の疲れや頭痛の原因となることがあります。
蛍光灯普及の立役者、松下幸之助とパナソニック
LED電球が誕生するまでは、日本でもっとも普及していたランプが、蛍光灯でした。
家庭、オフィス、商業施設、倉庫、道路灯を含む屋外等など、あらゆる場所で蛍光灯が使用されていました。
これは、松下電工(現パナソニック)創業者の松下幸之助の存在が、大きいです。
戦後、焼け野原になった日本を見て、「もっと日本中を明るくしたい」という思いから、部屋の隅々まで均一に明るくできる蛍光灯を広めました。
こうして、松下電工の影響で、日本でもっとも普及している電球が、蛍光灯となりました。
このように、普及に努めてきたパナソニックでしたが、ついに蛍光灯の製造を2027年9月をもって終了することを発表しました。
理由は、蛍光灯に使用される水銀が、水俣条約第5回締約国会議で、すべての一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入の廃止が2027年末と、決定したからです。
シャネルがこだわった照明
蛍光灯は、家庭の灯りには不向きだと、かねてから思っていました。
あまりにも均一で、しかも青みがかった色なので、立体感がなく見えてしまい、人や景色を美しく照らしません。
工場や倉庫などでの緻密な作業には向いていますが、家庭でくつろいだり、レストランでの食事の場にはそぐわない灯りです。
日本でも、ようやく最近は、蛍光灯に代わって、温かいオレンジ色の灯りが多用されるようになってきました。夜の住宅街や夜景を眺めると、窓からの温かい赤みのある灯りが美しく照っています。
最後に、こんなエピソードをご紹介します。
ファッションデザイナーのココ・シャネルは、晩年、ラグジュアリーホテルの『Ritz Paris』に滞在していました。理由は、ラウンジのスタンド照明の配置が絶妙で、ちょうどソファに腰かけた時に、横から顔を美しく照らしてくれて、若々しく見せてくれるからでした。
照明は、明るければ良いというわけではなく、適材適所に、ぴったりの電球、デザインがあり、有効な計画こそが、部屋のインテリアを完成させるのです。

続く
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