• リノベーション
  • リフォーム業界事情

京町家をリノベする【2】

強力助っ人現る

衝撃でした。
施主も私も、なんとなく無防備に古民家だと認識してはいましたが、あらためて専門家から『京町家』と認定されると、歴史的価値のある文化財レベルの建物だ!!と、何やら古ぼけた家が”増し増し”に見え、リフォームへのモチベーションも俄然アップしたのです。

しかし、そこで京町家の専門家から、
「職人は京都の人間か?」
「建築士は京町家に詳しいのんか?」
など、次々と厳しい突っ込みが入りました。
大阪・神戸在住メンバーばかりの私たち施工チームは、京都の天上人の前では、まるで”初心者扱い”。

京都の伝統建築と文化への誇りをいやでも痛感せざるを得ません。
「よそもんが早々に分かるもんじゃ、おまへんえ」
と(間違いなく)言われている気がして、うなだれるしかありません。

しかし同時に、その人の言葉には(少しばかりの)優しさもありました。
「京町家の伝統を正しく残すことが、京都の未来を守ることや」
そう言って、無償で協力を申し出てくれたのです。

天にも昇る気持ちでした。
たとえそれが“迷える大阪人を助けてやる”という、京都流の上から目線であっても、未体験の難題に臨もうとしている我々には、神の差配かと思うほどありがたい申し出でした。

仕事を超えた、学びとしてのリフォームへ

この家のような町屋は、単なる古い木造住宅ではなく、京都の風土と文化の結晶です。
祇園祭り、格子戸、虫籠窓(むしこまど)──
暮らしと行事、街並みのすべてが調和して生まれた建築様式。

土壁ひとつ取っても、藁を編んだ小舞竹(こまいだけ)に粘土を重ねる伝統工法。
夏は涼しく、冬は保温性があり、京都の気候に適しています。

こうして、京町屋の専門家と現地で打ち合わせしてもらう日程を決めました。
おそらく厳しい指摘の嵐になるでしょう。
場合によっては、リフォーム計画自体の見直しも迫られるかもしれません。
それでも構いません。

私は、この家の本質を見失わいないよう、デザインと機能の両立を目指す覚悟を新たにしました。
この家と向き合うこと自体が、良いリフォームになると思ったからです。

京都らしい町並みを形成してきた京町屋。
それを現代の暮らしに寄り添う形で再生することは、容易ではありません。
建築の世界は、常に「先人の知恵」と「現代の技術」の融合。
そのような現場に携われるとは、”よそ者”リフォームプランナーにとって、またとないチャンスをいただいたような物です。


次回は、京町屋専門家からのダメ出し報告編です。

続く

Contact

女性のイラスト

リノベ無料個別相談。
お気軽にご相談ください。

ご要望がまとまってなくても大丈夫です。
ヒアリングの中でひとつひとつ暮らしの中で感じている
不満や悩みを拾い上げていきます。

※ 営業は一切行いませんので、安心してお問い合わせください。

お電話はこちら
電話のイラスト 06-6379-5872

受付時間 10:00-17:00 (火曜日・水曜日を除く)