マンション第2白鳥

今週も、このはなツアーの続きです。
ここは、リノベーションした文化住宅です。
文化住宅とは、昭和の高度経済成長期にたくさん建てられた、2階建ての集合住宅です。

此花区は戦時中、軍事工場があったため、集中的に空襲されて街がほとんど全焼したという歴史があります。いまある住宅地は戦後に建てられた建物ばかりで、高度経済成長期に急増した集合住宅がたくさん残っています。

取り壊されていく昭和の遺産、文化住宅。
此花区では、このような忘れられていく建物にも、その独特の魅力にスポットを当て、今につなぐ試みをしています。そのひとつが、このマンション白鳥です。

隣合わせの2住戸をつないで1つにし、広く大人数にも対応できるように、内部は大々的に改造しているそうです。(居住者がいるので、内覧はできませんでした。残念!)

外側は、全体的に白く塗装しただけのシンプルなリノベーション。
しかし、正面の角に植栽したり、舗装道路にインターロッキングを埋め込んだり、アーティストが描いたシンボルマークやサインを描いたことで、アートの香りがする区画に生まれ変わっているのが、さすが!!

マンションの向かい側の空き地に、同じくアーティストが作った数字型のベンチがあります。

   

NO ARCHITECTS 建築事務所

此花プロジェクトを運営している建築家ユニット西山夫妻の事務所も訪問。此花区に惚れ込んで移住され、自宅兼事務所を構えておられます。

正直、今までお会いした建築家の家とは、あまりにも(良い意味で)違いました。一見、ただの昭和時代の2階建て住宅。最小限のリノベーションで、ほとんど元のまま。しかし、壁面いっぱいの蔵書を見れば、まごう事なき、建築家の本棚です。

建築家とは、既存の建築を破壊し、自分の色に塗り替えた新しい建築を設計するものだと思っていたのですが、NO ARCHITECTSさんは、徹頭徹尾、既存の建築物を愛し、寄り添い、使えるものはなるべく残し、その魅力を引き出す設計をされています。

今の時代らしい価値観で、とても共感しました。

  

http://noarchitects.jp/

一度入ったら、出られない本屋さん『シカク』

次に向かったのが、何から何まで最高の本屋さん、シカク。
最近惜しまれながら廃刊した雑誌、「八角文化会館」のコーナーがあり、大人買いしました。創刊号は、無念の完売。
「八角文化会館」は、廃墟とか、休眠状態の商業施設などの特集でまるまる一冊雑誌を作っている変な出版社で、雑誌を一冊読み通せない私が、全ページ熟読してしまうほどのあつい雑誌です。在庫限りなので、もし見つけたら、迷わず購入することをお勧めいたします。

 

shikaku@uguilab.com

アートギャラリー the three[Konohana]

最後にご紹介するのが、NO ARCHITECTSが手掛けたアートギャラリー。
ここも、既存の3階建てビルを最小限リノベーション。

リノリウムの床。天井のジプトーン。昭和の住宅でおなじみ、今ではちょっとダサいかなと思われる素材も、なぜかしっくり見えてしまうマジックがここでも起こっていました。

平凡、もしくは古くなってしまったものに、ひとさじの隠し味を加えたら、今の感性に合う建築物に早変わりする。その「ひとさじ」とは、結局のところ、なんなんだろうと考えながら見学していた此花ツアーでした。

答えは、アーティストやクリエーターが握っています。
文化という隠し味こそが、古きを新しきに蘇らせるマジックの正体と見たり。

http://thethree.net/