登録有形文化財 浜寺公園駅

南海電鉄の本線(難波⇔和歌山・関西空港)沿いの駅は現在、順次、高架工事をしています。
工事に伴い、古い駅舎を解体するかもしれないとなった際、市民から猛反対が起こりました。そして、結果的に歴史的価値のある、浜寺公園駅と諏訪ノ森駅の駅舎は、場所を駅周辺に移設して残すことになりました。

この決定は、大変意義深いと思います。
まず、古い駅舎を曳家(ひきや)という建築物をそのまま移動させる技術で30mほど移設したこと。
そして、建物と歴史を愛する市民の力が、行政と電鉄会社を保存へと動かしたという点です。

浜寺公園駅は、1907年に日本の近代建築を代表する建築家、辰野金吾によって建てられました。かつては、海水浴場だった浜寺公園の玄関口ということで、力が入った美しい駅舎です。今でも、建築マニアが全国から見学に来ています。

カフェ駅舎と山崎豊子

耐震補強を施していますが、ほぼ原形のまま活用されています。カレーなどの素朴なメニューで気軽に入れる喫茶店です。

カフェ内にはブックコーナーが併設されており、自由に本が読めるようになっているのも長居が出来て良い感じです。
浜寺は、「華麗なる一族」や「白い巨塔」で知られる国民的作家、山崎豊子氏が晩年を過ごした自宅がある場所でもあるため、全書籍が揃ったコーナーがあります。

   

今はなき駅構内の待合スペース

在りし日の、待合室の画像もご覧ください。木製のベンチ、ガラス格子、どれをとっても美しく、よくもこれを解体出来たものだと、残念でなりません。

撮影2018年9月

駅近辺の美しい豪邸達

おまけとして、浜寺公園駅の近辺の住宅地をご紹介します。
駅の北東側には、大正時代に開発されたリッチな住宅地があります。旧大丸心斎橋本店や、神戸女学院を設計したウィリアム・メレル・ヴォーリスが設計したスペイン風の2階建建築、見事な数寄屋造りの日本建築などの個人邸が、まだたくさん現存しています。絶好の建築めぐりエリアであり、贅沢な散歩コースです。

撮影2021年4月

浜寺公園と浜寺公園駅

駅からすぐ道路を渡ると、浜寺公園があります。
浜寺公園も、駅とおなじく日本最古の公園のひとつであり、ばら庭園、交通遊園、ジャイアントスライダーがある屋外プールなどもあり、連日、たくさんの人の憩いの場になっています。
また、浜寺〜天王寺・住吉間を走る阪堺電車の始発駅も、ここにあります。

南海電車界隈とは関係のない遠方の方も、ぜひ遊びに来てください。建築好きにも、ご家族にも楽しめるエリアとなっているので、オススメです!

というわけで、次回は浜寺公園で月一開催されているマーケットについて書こうと思います。