直島・本村地区のアートと建築

今回も、直島ツアーの続きです。

本村(ほんむら)のビジターセンター。空間デザインは、SANAAの西沢立衛。
ここをスタート地点に、風情ある街並みの中に点在するアート・建築を探索してまわります。

余談ですが、お勧めの移動手段

ところで、これから直島に行こうと検討中の方々に、レンタサイクルについてひと言。
自転車で廻っている人を多く見かけましたが、自転車での移動は、あまりお勧めではありません。
なにしろ、道幅も狭く、観光客もたくさん歩いているので、自転車での移動は結構大変です。しかも、夏場は暑いので、体力的にもハードです。さらに、駐輪スペースも意外に整備されておらず、停める場所を探すのに時間を取られます。

バスとタクシーが頻繁に走っているので、ぜひご利用ください。タクシーも、複数人数での利用であれば、むしろ割安です。運転手さんもフレンドリーで、観光スポットを教えてくれたりします。

『家プロジェクト』

直島・本村地区(ほんむら)において展開するアートプロジェクト。アーティストとクリエイターの手によって、空き家を活用した体験型のアート作品群です。
「角屋」「南寺」「きんざ」「護王神社」「石橋」「碁会所」「はいしゃ」の7軒が公開されています。

はいしゃ

元歯医者さんの家を、大竹伸朗がポップアートにした建物。

もとの木造住宅の骨組みは残しながら、床は透明ガラスにして下に昔の雑誌の切り抜きが入っていたり、吹抜けに巨大な自由の女神像がいたりと、遊び心たっぷり。

南寺

黒い木造建築で、安藤忠雄が設計した建物。
黒く塗り潰された内部は漆黒のように真っ暗で、視界は全く遮られ、壁伝いにそろそろと内部に入場します。あとは、入ってからのお楽しみ。ジェームズ・タレルの光の作品を体感する空間。
元来この近辺には5つの社寺と城址が集まっている、直島の歴史的、文化的な中心地だったところ。そんな神聖な場所に相応しい、神秘的なアート体験でした。

安藤忠雄のANDO MUSEUM

木造の古民家の中に、安藤忠雄らしいコンクリートの躯体が内蔵されています。

情緒ある街並み

直島に来て、まず目を奪われるのは、アートよりも、町並み。100年前かそれ以前の古民家がたくさん、それもとても綺麗な状態で残っており、人が住んでもいます。板張りの外壁の平家が多く、関東や関西圏の古民家とは、また違った造りです。
直島は、塩の産地として栄えた場所ですので、住宅にも産業との関係があるのかも知れません。また、四国の建築様式も掘り下げて調べてみようと思います。

足水(あしみず)できる古民家

手入れの行き届いた美しい日本家屋は、かつては裕福な商人の家だったそうです。地下水脈を利用して、回廊を水が巡るように改修されています。風・水・太陽を感じながら一休みできる家に再生したのは、三分一博志。
暑い夏の旅の途中で、涼みながらホッとできる憩いの場所でした。

室内の床に溜めた水の中に、数字の電光版が散りばめられています。反射するライトが幻想的。

地中美術館

安藤忠雄があまり好きではないのですが、この美術館はすごかったです。
内部の撮影は禁止されており、地中に埋設されているコンクリートの建造物は、まるで要塞のよう。
しかし、中に入ると、自然光だけでみせるクロード・モネの展示スペース。階段の中央に鎮座するウォルター・デ・マリアの巨大な球体がある、教会を思わせる部屋。ジェームズ・タレルによるライティング・アートを体験できる3つのスペースなど、展示作品と建築が自然光の中で見事に融合した、見応えのある美術館でした。

撮影が許されているのは、ここまで。

でも、トイレぐらい良いですよね?オール・ステンレスで、かっこいい。

地中美術館のバルコニーからの絶景。

Part3に続きます!