和室を洋室にリフォーム

マンションの和室を洋室にして、リビングを広く使いたいという要望が増えており、最近は問い合わせも多く受けています。
というわけで、今回は久しぶりに真面目にリフォームについて語ります。

畳とフローリング部分の段差をバリアフリーにするには?

築年数20年ほどのマンションを例に、和室リフォーム、特に床をどのようにバリアフリーにするかをご説明します。

フローリングの床高から、畳の厚み分の段差がある場合が多く、約5cmぐらいが一般的です。
マンションのフローリングと畳の下は、コンクリートとなっており、多少なりとも不陸(平坦ではないこと)があります。その凹凸を高さ調整する材料が畳の下に敷かれていることもあります。

この物件の場合は、床の状態が綺麗でしたので、畳を撤去し、襖の枠を取ってしまうと、リビングの床と高さが揃っていました。とてもラッキーでした。

押入れの床だけは3cmほど低くなっていたので、左官屋さんがモルタルを塗って高さをそろえました。

畳があったのがウソのように、リビングとバリアフリーでつながるフローリングの洋室が完成しました。

天井の板貼りをクロス貼にするには?

和室の天井は、ラミネート天井と言って、木材のように見える化粧合板が貼ってある場合が多いです。(本物の木材を貼っていた本格的な日本建築の形式を、簡略化させたスタイル。)

この天井を外して、一から新たに天井を組む場合もありますが、今回はラミネート天井の上から石膏ボードを上貼りします。

石膏ボードを貼った後は、廻り縁という、天井まわりにある額縁のような部材を、クロスと同色に塗装して、クロスを貼ると完成です。

このように、和室から洋室にするのは、それほど難しい工事ではありません。

床の段差が10cm以上あるパターン

より難易度が高い事例も、ご紹介します。
こちらの事例は、廊下とリビングで段差が違います。

廊下の床下には、お風呂や洗面、トイレの配管が隠れているので、廊下の段差は解消できません。
そのため、廊下と和室の間はフラットなのに、リビングと和室の間は10cmの段差が生じています。

畳の厚みは5.5cmなので、4cmの断熱材でかさ上げされています。
この事例では、和室部分を取り込みリビングを広げるプランなので、廊下からの入口を塞ぎ、押入れ部分の床だけを上げています。

中央部分の凹凸は左官で平坦にならしています。

和室とリビングがバリアフリーのパターン

築年数が10年前後の比較的新しいマンションの場合は、和室とフローリングがバリアフリーになっていることが多く、工事はより大変になります。
和室と洋室に段差がないということは、畳の厚み分を床下げして揃えているということなので、元々の和室部分の床全体を床上げしないといけなくなるからです。

上の事例は、和室とリビングがフラットで、完全にバリアフリーになっています。

画像ではわかりずらいかもしれませんが、和室の床はリビングの床から3cmぐらい下っています。
この物件では、薄畳(うすだたみ)といって、従来より薄い畳を使用していました。約3cm厚です。これぐらいの段差であれば、コンパネという合板を上に重ねることで解消できます。

まずは、現地調査を。

作業内容が変わると、手間も材料費も違ってくるので、工事金額は一律ではありません。
マンションの床では、現状の状況にいろいろな可能性があるため、正確な見積りを出す場合、プロの現地調査とアドバイスが必須となります。
お気軽に、お問い合わせください。