百花繚乱、住之江区の長屋たち

大阪市西住之江区。
南海本線の住之江駅の周辺は、長屋群がたくさん残っている場所です。
レトロ建築ファンのブログにも、多く掲載されています。

古い建築がどんどん取り壊されているので、どれぐらい残っているのか心配になり、先日見てまいりました。

すると、まだまだありました!
しかも、とても大切に住まれている様子。
空室もありますが、リフォーム工事しているので、需要があるようでホッとしました。

とりわけ西住之江区は、『洋風長屋』がたくさん残っています。

こちらの長屋、一件空室があり、リフォーム工事中でした↓ ↓

和洋折衷な佇まい、装飾窓、出窓、塀の手摺り子が特徴。

洋風長屋は、大正14年頃(1925年)から多く建てられています。
経年劣化も当然進んでおり、玄関や窓サッシは取替ている物件が多かったです。

ただ、私のような古い建物フェチとしては、レトロ建築に現在のアルミ製サッシは、どうもしっくりこない・・。(余計なお世話)
やっぱり、なにもかも木製でリフォームしたい!

外塀の手摺子も破損している物が多かったですが、今や、こういう物を修復できる職人さんも少なくなっているでしょうね。

大阪市内には、阿倍野区など、まだたくさん長屋が残っていますが、その中でも西住之江区は、居住率が高く、庭木の手入れもされ、愛されている感じがしました。

年々、現存する貴重な長屋が消えていっていますが、レトロ建築ブームで、若い世代が移り住んでいるという嬉しい統計もあります。
需要があるため、レトロ建築リノベを専門に取り扱う不動産屋やリフォーム会社も増えています。

長屋は、戦後の近代建築の貴重な資料。
有形文化財保護の観点からも、私たちのリフォーム技術向上のためにも、ぜひ購入して当社のリフォーム物件として市場に出すことで、長屋を保持しながら活用され続けるよう貢献したいです。

参考文献:〇今昔館の近代展示室を愉しむ

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