アートのまち北加賀谷と千鳥文化
造船のまちからアートのまちにアップデートした北加賀谷
大阪市住之江区の北加賀谷エリアをご紹介いたします。
大阪の南西部を流れる木津川の河口付近に広がっている街、北加賀谷。
大正時代には造船のまちとして、関連した工場や倉庫が立ち並び、栄えた街です。
時代とともに造船業が廃れていったために空いてしまった倉庫や造船所跡を活用し、あらたに“アートのまち”として創造性あふれる魅力的なまちに変貌させるプロジェクトが2009年から始まっています。アーティストやクリエイターがここに集まり、国内にとどまらず、世界にも情報を発信しながら、エリアの魅力を向上させて、行きたい、住みたいまちを目指しています。
千鳥文化
今回の目玉である千鳥文化です。
造船業が盛んだった頃に、一階部分が店舗、2階が労働者のための住宅として使われていた大型の文化住宅を、大胆にリノベーションした複合施設です。建築を手掛けているのは、今をときめくドットアーキテクツ。
遠目で見ると古びた文化住宅ですが、ガラス張りで躯体の骨組みを見せているエントランスが圧巻。昼間も素敵ですが、夜は室内のライティングで、引き込まれるような外観でしょう。
1階に、カフェ、バー、ギャラリー、2階には、オフィスとテナントが入居しています。
一階のカフェ。古い木造部分を活かした内装。人気のお昼の定食に間に合わず、レモンバターのダッチ・パンケーキを注文。布で包まれた本物のレモンを絞っていただきます。
エントランス正面が吹抜けになっています。木造、鉄筋とコンクリートが絶妙に絡み合い、ザ・カッコイイ建築です。
ランバーコア(ベニヤ合板)のトイレ扉が、かっこいい!即、マネしたくなります。
しかも、性別マークが可愛い!!黒で立ってるのが男子、赤で座ってるのが女子。
2階のオフィスとテナントスペース。左側は、イベントスペース。
痺れるようなミニマリズム。
2階からの眺め。吹抜け部の天井は、ポリカ波板‼
建物は大きいので、2階部分は元の姿のままのスペースがたくさんあり、昔の様子が伝わってきます。でも、よく見るとアート作品がそこかしこに散りばめられていて、古い建物とアートの融合空間となっています。
勝手口から出て横には、「みんなの農園」があります。大阪では、寝屋川と北加賀谷にあります。6㎡の区画をレンタルすると、農具完備で無料アドバイスももらえながら、無農薬で野菜が栽培できます。定期的に農業系イベントも開催されています。ゲートには、自転車の車輪を使っています。
どこにでもある材料、余っている廃材を使って、アイディアとセンスで、唯一無二のリノベーションをしているんですね。
千鳥文化以外にも、造船所の跡地が大きなクリエイティブ・センターになっていたり、見どころや食べどころがたくさんあります。ぜひ、遊びに行ってみてください。
千鳥文化 http://www.chidoribunka.jp/
みんなのうえん https://minnanouen.jp/