Season’s Greetings!

12月とは思えない気候でしたが、ようやくこの時期らしい寒さになってまいりました。
クリスマスも終わり、もう師走です。

先日クリスマスのスペシャル・プランで『奈良ホテル』に滞在してきました。

ホテルや旅館側にとっては、まだまだ海外の観光客が来ずインバウンド消費がない厳しい状況が続いているだろうと心配していました。

5年ぶりの滞在。
クラシックホテルの名に恥じない素晴らしいサービスと居心地の良さ、そしてクリスマス時期もあって活気があり、嬉しい再訪となりました。

奈良ホテルは、1909年(明治42年)創業。明治の大建築家、辰野金吾が設計しました。今でも、皇室が公式行事の際は訪れる由緒あるホテルで、関西圏で泊まれる数少ない、100年を超えるクラシックホテルです。歴史も格式もありながら、近年都心に乱立している外資系ホテルと比べて、断然お手頃な価格で宿泊出来ます。ホテル1階の『三笠』というレストランで食事だけ利用するのでも、このホテルの雰囲気を堪能できます。

モダンなシャチホコ。和と洋、そして中華風な要素がミックスされていて、いつ見ても斬新です。ロビーの中央にある、圧巻の吹抜け階段と格天井。客室が並ぶ廊下。今は使われていませんが、当時のオイルヒーターがそこかしこに。

懐かしい、木製のルームキー。

スタンダードなお部屋でも、こんなに素敵。
天井が高いのが、この時代の建築の特徴です。
古い建物というと、寒いイメージがあると思いますが、この日、外の気温はけっこう寒かったのですが、館内はどこもとても暖かく、もちろん客室内もとても快適です。5年ぶりに来たら、お風呂はTOTO製品にリフォームされていました。古い建物でも、水廻りは最新機器で快適になっていました!
洗面ボウルは、Villeroy & Boch(ビレロイ&ボッホ)の陶器を使っていて、こだわりが感じられます。

奈良ホテルが好きなのは、こうした看板サイン、ガラスの模様、絨毯の柄、階段手すりの装飾など、見るもの全てが、味わい深いところです。昔の建築建材には、一点一点に個性があります。

クリスマスツリーと、『風立ちぬ』で有名な、奈良ホテルゆかりの作家、堀辰雄のデスクとラブレターを再現したコーナー。

ラウンジスペース。
ここには、滞在中のアインシュタインが実際に弾いたピアノが展示されています。
写真中央にあるのは、マントルピースという装飾を施した暖炉です。
欧米様式であるマントルピースを、なんとなく中華風なアレンジにしているのが、ユーモラスです。

廊下も階段も、歩くとミシミシ音がします。それがなんとも良いのです。
そう。木造の建物は、音がするんだよ。
次は「天平の間」というデラックスルームに泊まる野望を胸に、別れを惜しみながらチェックアウト。

ホテルのすぐ横には、五重塔があります。
奈良は、大阪からですと、近鉄電車に乗って30分ほど。
ぜひ、奈良ホテルで、歴史を感じるショートトリップをご堪能ください。